Hola, FelizYaYaです。
スペインでは毎年8~9月に大きな自転車レース「ブエルタ・エスパーニャ」が開催されます。
今年の夏は初めてその自転車レースの1日ガイドを依頼されて行ってきましたので、今回はそのご報告です。
私にとっては初めてのロードレース見学で大変面白く貴重な体験をさせていただきました。
スペインのダンスや恋愛事情に詳しく、プロのライターとして活躍し、個人ツアーガイドの仕事でも人気が高い
Feliz YaYaさんのブログ
目次
スペインの自転車ロードレース「ブエルタエスパーニャ」とは?
まず初めに「ブエルタ・エスパーニャ」のご紹介をいたしましょう。
正式名は「La Vuelta Ciclista a España」といって8月の終りから9月にかけてスペインを舞台に行われる自転車プロロードレースです。
1935年から開催されていてかつては「ツアー・オブ・スペイン」と呼ばれていました。
走行距離は3200kmで、ステージ数は平坦ステージ、山岳ステージ、個人とチームのタイムトライアルステージなど21前後が用意されています。
ブエルタは逆転劇が楽しい!~その他の自転車レースとの比較~
ヨーロッパで開催されている自転車ロードレースは、ツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアとブエルタの3つを称しグランツール(Grands Tours)と呼ばれています。
ブエルタは、以前は地元スペインの選手が多く出場していてローカル色が濃く、ワンランク下の大会と見られていました。
ですが、徐々に世界の様々なタイプの選手や有力選手が出場するようになって、最上級カテゴリーAの格付けを持つツール・ド・フランスについで、現在ではジロ・デ・イタリアと同格のカテゴリーBにランク付けとなりました。
ブエルタの特徴としては他の2レースに比べアップダウンや厳しい山岳ステージ、山頂でのゴールが多いため、レース展開として逆転につぐ逆転などが起こりやすく、派手なドラマが生まれて、見応えのあるレースが見られる点があげられます。
実力によって分類されるカテゴリーで出場できるレースが決まる
「ブエルタはジロ・デ・イタリアと同格のカテゴリーBにランク付け」とお話いたしましたが、
自転車ロードレースはカテゴリー分類されていて、チーム自体や選手の実力レベルによって出場できるレースが決められています。
大体のカテゴリーは以下のようになっています。
UCIワールドチーム
世界中からトップ選手を集めたチームで構成されるカテゴリーです。
グランツールを始め主要な大会に参加して年間27戦前後のロードレースで戦います。
このチームの選手たちは、200kmを時速平均40~55kmで走ります。
25~30名が1チームに所属しています。
チームとしての成績や選手の実力など厳しい条件を満たさなければ、下位チームに降格となります。
UCIプロコンチネンタルチーム
UCI(国際自転車競技連合)が主催する年間シリーズに出場する資格を持ったチームで、ヨーロッパ・アフリカ・オセアニア・アジア・アメリカの5大陸ごとのツアー形式で競います。
ワールドチームよりはランクが下がりますが、それでも充分プロとして通用するレベルです。
UCIコンチネンタルチーム
世界主要国での国内ツアーを主催するカテゴリーです。
このカテゴリーで上位に入るとUCI年間シリーズに参加することができます。
日本国内では22チームが所属しています。
アマチュアクラス
アマチュアとして最上級のC1クラスから、初心者、女性、子供のC6まで、6つのカテゴリーに分かれています。
自転車レース中、選手たちのトイレ事情
レース中は水分もたくさん補給するので選手たちのトイレ事情は気になるところです。
一般的にはペースが落ちたときを狙って、チームメンバー同士声を掛け合って脇に寄ったりして用を足すようです。
レースの展開によってはどうしても自転車を降りられないケースでは、乗ったままでウエアをずらして走りながらすることもあるようです。
個人ツアーガイドで思いがけずロードレースが楽しめる!
【今回のツアーガイドの依頼主と依頼内容】
●ヨーロッパに出張中の自転車好き日本人男性
●1日だけレースのゴールが見たい
【問題点】
ご案内する日のゴール地点はわかっていました。
ですが、駐車事情や見られるポイント等は事前情報がなく、現場に行かなければわからないという状況でした。
【解決するため、現地の人たちに情報収集!】
とにかくレース現場に直行するのが一番ということで、展開中と思われるレース道路近辺のカフェで情報を仕入れ、待つことにしました。
やってきました!
そんなに凄い速いスピードではありませんでしたけれど、それでも170名の選手たちが次々とあっという間に目の前を通り過ぎていく姿は壮観でした。
その後ゴール地点近くまで行って、情報を何ヶ所かで入手。
スペインでは一人に聞くだけではダメです。
同じ質問を何人かに聞いても、それぞれ違う答えをもらうことが多いのです。
聞いた上で適格な答えを選択する必要があります。
【スペインでは様々な人に質問する必要が分かる他の例】
この時もいろんな人に質問して情報収集をしていると、「ゴール地点には入れない」と答えた人もいました。
ですが、諦めずに更にいろんな人に質問し続けた結果、ゴール地点に入ることができて、ゴールする瞬間を観戦できました。
万々歳です。
まとめ
今回は22チームが参加し、1チーム8名ずつ合計176名が出場しています。
私がご案内したお客様によれば、自転車レースとは個人競技でありながら、個々の選手が役割を担うチーム戦であり時にはライバルチームとも協力しながらレースが展開していく非常に紳士的なスポーツなのだそうです。
またチケットはありませんが、一部ゴール地域によっては入場制限がある場所もあるようです。
どちらにしてもブエルタ・エスパーニャを楽しみにしていたお客様にも喜んでいただけたし、私もドライバーも楽しく観戦してきました。
ロードレースが好きな方は勿論、スペインで観光をしたいと思っている方にもおすすめのレースですので、是非一度見に来てください。