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1980年代の平和と自由が今も生き続ける スペイン地中海の小さなコスモポリタンシティ「ネルハ」

ネルハの町を一望した景色

はじめまして、東エマです。
私は2011年からスペインに住んでいて、ヨガの講師・コーディネーターをしています。
今回は私が暮らしているマラガ県の小さな街、ネルハの紹介をしたいと思います。

マラガの特徴・有名な人物や場所

ネルハの紹介をする前に、ネルハがあるマラガ県について簡単にご説明いたします。


  • アンダルシア州で人口が二番目に多い都市
  • ピカソの出身地
  • ハリウッド映画俳優アントニオ・バンデラスの出身地
  • 北ヨーロッパからの旅行者やヨーロッパ旅行あるいは世界一周中の日本人旅行者やバックパッカーにも
    多く利用されているマラガ・コスタ・デル・ソル空港

ネルハって?

ネルハの人口は時期によって6倍にふくれあがる!?

さて、ネルハはそのマラガ県の東、もう少しでグラナダに入るという県境にあります。
人口は2万人に満たない小さい町です。
(マラガ県人口:56.9万人)

ですが、ネルハはスペインの観光地域として有名なコスタ・デル・ソルの中でも人気のある観光地なので、
ハイシーズンになると人口はその6倍ほどになります。
ネルハにセカンドハウスを持つ半移住者、短期中期の観光客がどっと押し寄せてくるのです。

ネルハが人気な3つの理由

1.日照時間の多い観光地

ネルハのある観光地域「コスタ・デル・ソル」とは「太陽の海岸」を意味する名前で、地中海に面した海岸地域です。
「太陽」と名前がつくのは、太陽が照っている時間の長さから。
一年の内、約300日は晴れの日が続いているのです。
そんなビーチでのリゾートに向いた温暖な地域だからこそ、曇天の多い北ヨーロッパの国々から人気があります。

そんな人気の結果、住民登録されている総人口のうち1/3は、なんとイギリス人だったりします。
エリアによってはスペイン語よりも英語の方が聞こえてくることも。
イギリス人に次いで多いのがスウェーデン人で、リゾート用のアパートメントやタウンハウスを販売する北欧人経営の不動産の看板も
「売りたい家、土地はありませんか?私達は凍えているスカンジナビアンを沢山知っていますよ」
と茶目っ気たっぷり。

また、多くの欧州、南米、モロッコやセネガルなどアフリカ大陸からの移住者が多くいます。
世界中の様々な人種が集うため、非常に国際的な所も大きな魅力の一つです。

2.スペイン国民の過半数が見ていたドラマの舞台

ネルハを有名にしたのは何といっても1981年に放送されたドラマ「Verano azul(ベラーノ・アスール)」でしょう。

Capítulo 1: “El encuentro”

ネルハを舞台にしたこのドラマは、スペインが悲惨な内戦から続くフランコの独裁政権からようやく解放された数年後に放映されました。
その時代は、長く暗いファシズムの時代から民主化へと移り変わる激動の時代でもありました。

「ベラーノ・アスール」は10代の子供達の心の交流、家族を中心にしたストーリーで、多くのスペイン人が愛してやまない「夏休み」「海」という2つのキーワードとビジュアル、そして素朴な世界観を持っていました。
だからこそ、独裁政権から解放された時代にマッチし、当時のスペインでは平和や自由を象徴する存在として絶大な人気を誇っていました。

それは第二次世界大戦後の日本を舞台にした映画「三丁目の夕日」が大ヒットした理由と少し似ているのかもしれません。
まだまだ戦後の爪痕は残り、貧しさや不平等さというネガティブな側面はありつつも、人々の魂は純粋でたくましく毎日を一生懸命生きていて、その後高度経済成長へと向かっていく昭和の日本。

スペインでは当時2千万人が観ていたといいますから、国民の過半数が観ていたということになります。
「ベラーノ・アスール」はスペインはもとより、南米を始めポルトガルやフランス、ポーランド、旧ユーゴスラビア、旧チェコスロバキアなどでも放映され、コスタ・デル・ソルのこの小さな海岸街ネルハを有名にしたのでした。
このドラマのすごいところはたった19エピソードで完結したにも関わらず、年配世代はもちろん現在30〜40代という、ブロードキャストされた当時に生まれた世代にも知られていること。

マドリッドやその他のスペインの地域に出かけた際、スペイン語で会話をしているとどこに住んでいるのかと聞かれることがあります。
ネルハだと答えると結構な確率で「あ〜、ベラーノ・アスール!」と言われます。

3.1980年代の平和と自由が、今も生き続けている

そんな国民的ドラマの舞台になったネルハは山と海に挟まれた、坂道の多い美しい街です。
規制は特にないはずですが、多くの建物の外壁は白かクリーム色がほとんどで統一感があり、生垣には鮮やかなブーゲンビリアやハイビスカスが生い茂げっています。地中海の深い青とアンダルシアの白い家並を眺めながら石畳を歩いていると、オレンジの花やジャスミンの香りが漂ってきたりと、目的もなくただ散歩しているだけでゆったりとした気分になれます。

特別なエンターテイメントはないけれど、地中海独特の時間の流れがそこにはあって、清々しい朝日の降り注ぐ街は清潔で活気に満ちています。
ランチの後の少し怠惰な長い午後は、バルやカフェのテラスに座ってワインやコーヒーを飲みながら家族や友人と過ごしたり。
西日が海や街を照らす夕暮れは美しくノスタルジックで、ビーチを歩くカップルや犬を連れた人達も立ち止まり海を眺めています。ネルハの町を一望した景色この光景は「ベラーノ・アスール」が放送されていた1980年代からそれほど変わっていないのかもしれません。

今回は日本ではあまり知られていないけれど、ヨーロッパではかなり有名な観光地のネルハの背景を紹介しました。
次回はネルハの魅力的なビーチや街並み、そしてネルハの山側にある「アンダルシアの白い街」として有名な美しい村フリヒリアーナを紹介したいと思います。


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東エマ

投稿者の記事一覧

10年以上に亘りステージパフォーマーとして多様なイベント、ショーに出演。
2007年より毎年数ヶ月をインドで過ごしバクティヨガ、クリヤヨガ、聖典を学ぶ。
2011年〜2015年に渡り定期的にバリを訪れ、アイアンガーヨガのシニアティーチャーであるオロップ・アルピピの元で練習する。
2011年よりスペイン在住。コスタ・デル・ソルの海沿いの小さな街に動物達(犬猫それぞれ2頭ずつ)と共に暮らす。

【webサイト】
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