Hola, FelizYaYaです。
スペインの春は「セマナ・サンタ」(Semana Santa)と呼ばれる大きなお祭があります。
キリスト教が関係しているお祭りなので、キリスト教が広く浸透しているスペインでは、重要なお祭りです。
この時期はちょうど、日本のゴールデンウィークのように連休となり、スペイン各地で行われる行列を見て、お祭りを祝うために家族が集います。
スペイン版のイースターともいわれていたりしますが、そもそもイースターを含めて、キリスト教の文化に馴染みの無い日本人ですと、調べていてもお祭りのイメージが湧きにくかったりします。
今回はそんな「セマナ・サンタ」の魅力・楽しみ方を日本人向けに分かりやすくご紹介していきます!
キリスト復活までの物語を追いかける一週間
突然ですが、クリスマスはどういうお祭りでしょうか。
と、聞くと、日本人からすると「サンタが来る日」か「恋人たちの記念日」といった答えが返ってきますよね。
そもそもクリスマスは、イエス・キリストの誕生を祝うお祭りです。
同じように、セマナ・サンタはイエスの復活を祝うためのお祭りです。
「キリストの復活」と言われても、聖書の物語を知らない人からするとピンときにくいかもしれませんが、
イエス・キリストは、十字架にかけられて一度亡くなっています。
ですが、聖書によると3日後に蘇ったと書かれていて、セマナ・サンタというお祭りはその復活を記念して行われるのです。
「聖週間」と訳されるように、一週間行われますが、宗教上の理由から毎年開催の日付が変わりますので、参加しようとする場合は注意してください。
今年は3月25日から始まって4月1日の日曜日に終了しました。
来年、2019年のセマナ・サンタは4月14日から4月21日までです。
このお祭りが特徴的なのは、一週間に分けて、キリストが蘇るまでの物語を再現する所です。
つまり、連続した物語になっているのです!
各曜日の物語
- 聖枝祭(Domingo de Ramos)<最初の日曜日>:
イエスがエルサレムに入った日 - 聖月曜日(Lunes Santo)宮清めの日:
利益をむさぼっていた露天商人をイエスが追放した日 - 聖火曜日(Martes Santo)論争の日:
イエスに反感を持つ宗教指導者をイエスが論破した日 - 聖水曜日(Miércoles Santo)香油の日:
論争に疲れたイエスを村の女性が香油で癒した日 - 聖木曜日(Jueves Santo)最後の晩餐日:
イエスが弟子であるユダに裏切られ、ローマの官憲に逮捕された日 - 聖金曜日(Viernes Santo)受難の日:
イエスがゴルゴダの丘で磔にされた日 - 聖土曜日(Sábado Santo)安息日:
イエスの遺骸が墓に安置された日 - 復活祭(Domingo de Resurección)<最後の日曜日>:
墓から生き返ったイエスの復活を祝う日
物語を作り上げる様々な仕掛け
セマナ・サンタ中は、イエス・キリストやその母であるマリアの像を乗せた
パソ(Paso)という台車を担いで歩く宗教行列プロセシオン(Procesión)というパレードが主なイベントとなります。
パレードを追いかけながら、キリストの復活までの物語を追いかけるのです。
この行列が最も有名なのが、アンダルシアのマラガとセビリアです。
マラガでは台車をトロノ(Trono)と呼びます。
行列に参加する信心会のコフラデイア(Cofradia)という団体が、イエスの物語を模すために、1年の制作時間をかけて徹底的に作ります。
パソの重さは1500~5800kgもあり、最大で250人くらいが担いで通りを練り歩きます。
平均して一人の肩にかかる重さは30~40kgもあるといわれています。
パソの前後には楽隊や宗教服を着た子供たちや、
ナサレノ(Nasareno)という受難者の仮装をした人々や
軍隊・消防士などが参加してパソと共にパレードします。
特にナサレノの衣装は特徴的で、顔を完全に覆った三角帽子に、目の部分だけが空かれているという神秘的な衣装です。
儀式の荘厳な雰囲気を醸し出します。
ルートを確認し、パレードを気長に待つ
行列の時間などは各都市によって違いますが、マラガのパレードは毎日午後20:30から朝の4:30くらいまで行われます。
人々はパソが動いていくルートの表を毎日チェックして、ルートにある通りに移動しながら、見たいパソが来るのを待ちます。
スペイン人は意外と忍耐強くて、セマナ・サンタに限らず、パレードを見るためなら、通りで30分~1時間待つのも全然平気なのです。
みんなおしゃべりしながら文句も言わずに気長に待っています。
マラガからフエンヒローラ間の電車は普段は23:00で止まりますが、セマナ・サンタの期間中は、夜中3:30まで運行されています。
沿線の人々は皆電車を利用してマラガのパレードを見にいきます。
まとめ
私は今年10年ぶりにマラガに出向いてセマナ・サンタを見てきました。
相変わらずのものすごい人の数とパソの壮大さ!
ただただ、圧倒されていました。
数あるお祭りの中でも、このセマナサンタはお話させていただいた通り、特に大きな規模のお祭り。
期間も一週間と長いので、参加し続けるにはパワーが必要です。
パレードに参加する人たち自体、連日何時間もの行進で、さぞや疲れるだろうと思うのですが、
そこはお祭り大好きなスペイン人、いやはや元気です!
お祭りのたびにスペイン人のスタミナには、いつも感心させられるばかりです。
お祭りは参加者も主催者も見物客も、みんな誰もが元気で、期間中の毎日、誰もが目いっぱい楽しみます。
いつもお祭りを全力で楽しんでいるスペイン人だからこそ、元気もスタミナもみなぎっているのでしょうね。
→一昨年のセマナ・サンタの様子はこちら!