こんにちは!
カナリア諸島公認ガイドのnaoです。
カナリア諸島では基本的にヤギのミルクを使ったチーズが作られています。
ですが、全ての島が同じチーズを作っているのではなく、島によって変わります。
特に島ごとの違いが出るのは、硬くて風味の強いチーズ、「ハードチーズ」!
今回は、カナリア諸島、全ての島のハードチーズをご紹介いたします!
目次
カナリア諸島のハードチーズの特徴とは?
まず、「そもそもハードチーズ」って何?という方に、チーズの豆知識を説明します。
ハードチーズとは、時間をかけて熟成させたチーズです。
「ハード」という名前の通り、時間が経って固くなっています。
それに対して「作り立てのチーズ」を「フレッシュチーズ」と呼んでいます。
前回記事:→【スペインで最も食べられているチーズ】
フレッシュチーズは味がさっぱりとしていますが、
ハードチーズはうま味が増して食べ応えがあります。
現地でしか食べられない新鮮なフレッシュチーズとは違い、
ハードチーズは、賞味期限が長いので、お土産にも最適です。
同じ諸島ながら島ごとに原料のミルクや作り方がちがい、熟成させたチーズは島ごとに特徴的な種類のチーズがあります。
主にヤギ乳が原料で、ヤギと聞くと独特の匂いや味を気にされる方もいるのですが、カナリア諸島のチーズはその強い風味が控えめで、食べやすいのが特徴。
写真はカナリア諸島でのスーパーマーケットのチーズ売り場です。
端から端まで、全てカナリアのチーズ。こんなにたくさんの種類があります。
テネリフェ島のハードチーズ
他の島々でも見られるスタンダードなヤギのチーズがあります。
フレッシュチーズをねかせて熟成させたものが二種類。
・セミクラード(Semicurado・半熟性チーズ)
60日以上熟成。
そのため、固いハードチーズにも関わらず、少しやわらかさも残っているので、
比較的食べやすいチーズ
・クラード(Curado・熟成チーズ)
固くてウマミ成分も多いコクのある味
他にも、赤いパプリカパウダーでまわりを覆って熟成させた真っ赤なチーズもあります。
食べる時に外側は切り口には入らないので味には関係ないのですが、見た目が華やかです。
グラン・カナリア島のチーズ
ケソ・デ・ギア(Queso de Guia)というチーズがあります。
ケソというのは、スペイン語でチーズという意味です。
D.O.P(原産地呼称保護)という決められた製造法にそって作られる高品質のチーズ。
通常、チーズを固めるためには、哺乳類の胃袋から作られる酵素を使いますが、
このチーズでは、花のめしべを混ぜて使う事で固めます。
チーズの主成分であるミルクには、カナリア諸島の羊乳が使われます。
濃厚な風味と軽いクセが特徴で、チーズ好きの上級者におススメです。
ケソ・デ・ギアの中にも二種類のチーズがあります。
一つは、フロール(flor)と呼ばれる花のめしべだけを使って作られたチーズ。
(写真は、フロールチーズ)
もう一つは、メディア・フロール(mediaflor)というチーズ。
こちらは、普通の凝固剤と花のめしべの両方を使う事で、
花のめしべだけで作られた際に出るクセをマイルドにしたチーズになっています。
ラ・パルマ島のチーズ
ラ・パルマ島では、この島固有のパルメロヤギのミルクを原料にしたケソ・パルメロ(Queso Palmero)が作られます。
先程のグラン・カナリア島のチーズと同じく、D.O.P(原産地呼称保護)チーズです。
特徴的なのは、チーズのサイズで、大きなものはなんと、直径1mくらいになり、スペインの中でも特に大きなチーズです。
味は、ぴりっとしていて、独特の食感が特徴的で、焼チーズにも適しています。
ランサローテ島のチーズ
カナリア諸島において一般的な、ヤギのチーズが多く、テネリフェ島のチーズの特徴と同じです。
他にも、ランサローテ島は白ワインが有名なので、チーズと合わせてお土産にしてみてはいかがでしょうか。
ラ・ゴメラ島のチーズ
こちらのチーズも、カナリア諸島において一般的な、ヤギのチーズが多く、テネリフェ島・ランサローテ島と同じ特徴になります。
特に、こちらの島でおススメしたいのは、
アルモグロテ(Almogrote)というオレンジ色のチーズペーストです。
クラッカーやパンにのせて食べます。
熟成が進んだ風味豊かなチーズを細かく刻み、にんにくやオリーブオイル、パプリカパウダーと混ぜて作られます。
島のレストランで前菜としてよく出されますし、最近はラ・ゴメラ島以外でもスーパーや市場で買うことができます。
後味をひき、つい手が伸びてしまう、お酒好きにはたまらないペーストです。
余談ですが、ラ・ゴメラ島のチーズの中には、他の島にはないパッケージデザインがあります。
世界無形文化遺産になっていて、この島のシンボルでもある「指笛」を吹いているイラストがデザインされていて、この島らしさが表現されています。
フエルテベントゥーラ島のチーズ
「マホレロ」とは、スペイン国外でも賞を多くとる優秀なヤギの種類の名前で、そのヤギから採れるミルクで出来ています。
このヤギは、雨が少なく砂漠のような土地に住みながらも、芳醇なミルクを出します。
島の人たちに愛され、島のシンボルにもなっています。
ケソ・マホレロはスペインのヤギ乳チーズの中で一番初めにD.O.P(原産地呼称保護)を取得した高品質のチーズです。
エル・イエロー島のチーズ
チーズをあまり食べなれていない方には、ケソ・エレーニョというこの島のチーズがおすすめです。
ヤギと羊と牛の3種類のミルクが使われて、クセがなく食べやすいです。
アーモンドの殻やサボテンの葉などを使って燻製したスモークチーズもあります。
お土産にはチーズを!簡単な選び方と食べ方
日本国内で購入すると、チーズは高い関税がかかるためとても高くなります。
ですが、現地では毎日よく食べる手ごろな食材です。
「食」が好きな方に喜ばれるお土産のひとつです。
お土産にチーズを購入される場合は、真空パックに入ったチーズを選ばれるとよいです。
食べる少し前に冷蔵庫から出して、食べやすい大きさにカット。
お皿に並べて室温にもどったころに食べるとより風味を楽しむことができます。
カナリア諸島へ訪れた際には、是非チーズをお土産に購入していってくださいね。
→フレッシュチーズを詳しく説明した記事、「スペインで最も食べられているチーズ」