皆さんこんにちは!
アンダルシア地方、アルメリア在住の宇治です。
スペインでクリスマスといえばとても大切な行事なのですが、それと同じように大切な祝日が1月6日にあります。
レジェスマゴス(Reyes Magos)といって、子供のための祝日です。
クリスマスにプレゼントがもらえるのに、この日にまたもらえるのです。
日本でいうお年玉の感覚でしょうか。
クリスマスとの違い
クリスマスはもともとスペインの行事ではないので、昔は祝うことは無かったそうですが、このレジェスマゴスはスペイン伝統の行事で1800年ごろから祝われているそうです。
この日は、東方からラクダにまたがった三賢者が子供達へのプレゼントを持ってやって来ます。
この三賢者は、イエス・キリストが生まれた時にも贈り物をもって駆け付けて来たと言われています。
良い子にはプレゼントが与えられますが、悪い子にはなんと炭が与えられるそうです。
遊び心溢れるスペイン流イベントグッズ
そんな悪い子への炭を模した、黒いキャンディーもあったりします。
レジェスマゴスの雰囲気を盛り上げるジョークグッズです。
最初にジョークでこのキャンディーをあげて、子供がガッカリ!
という反応を見てから、本当のプレゼントを渡す…というような仕掛けをする家庭もあるそうです。
他にも、レジェスマゴス当日までのカウントダウンカレンダーもあります。
そんな限定的なカレンダーなんてどうするの?と思われるかもしれませんが、これはただのカレンダーではありません。
当日までが楽しみになる仕掛けがあります。
この後に見せる実物の写真をよ~く見てみると仕掛けに気付けます。
お分かりいただけましたでしょうか。
日付それぞれの所に線が入っているのが見えますか?
そうです、こちらは開けるように扉になっています。
開けるとチョコレートが出てくる仕組みです。
子供たちには嬉しい仕掛けですね!
カレンダーのイラストにある3人の男性が三賢者です。
【三賢者】
・白人で白い髭のメルチョール(Melchor)
・白人で茶色い髭のガスパール(Gaspar)
・黒人のバルタサール(Baltasar)
プレゼントが届くまで
街では、その三賢者に扮した人々が子供たちの欲しいプレゼントを順番に聞いています。
三賢者に望みを聞いて貰って、子供たちはますますプレゼントを楽しみに、レジェスマゴスの当日を待ちます。
そうして、1月6日の朝にプレゼントを開けるのですが、寝る前には居間のツリーの下にそれぞれの靴の片方を置きます。
そして、三賢者のためにクッキーを、三賢者が乗ってくるラクダのために牛乳を用意しておくのです。
ワクワクしている子供たちを寝かしつけたら、親たちは隠して置いたプレゼントをせっせとツリーの近くに運び、次の日に備えます。
しかし子供のための日といっても、クリスマスと同じように大人にもまたプレゼントが用意されている事が多いです。
ケーキの中に当たり外れがある?
これはロスコンデレジェス(Roscón de reyes )という、パンドケーキが少しパサパサしたようなものです。
ケーキというよりかはパンに似ているかもしれません。
上に砂糖や色とりどりのゼリーが乗っていて、レモンの風味が効いています。
中に生クリームが挟まっているタイプもあります。
プレゼントを開ける前後に朝食として、切り分けて食べます。
切り分けたケーキの中のどこかに人形が隠されており、その人形に当たった人はそのケーキ代を払わなければいけないという慣習があるそうです。
ちなみに、「人形以外にそら豆が入っていて、そら豆の方が入っていた人の方が、ケーキの代金を払う」というパターンもあるようですが、私が実際に体験したのは今回の人形のみのパターンでした。
家族同士でしたので、人形が入っていたから本当にケーキの代金を払うというような事はなかったです。
友達同士などで、ゲームしたい場合にはケーキの代金を払う形にする場合もある、という程度だそうです。
スペインらしく、あくまでレジェスマゴスの日を楽しむためのルールなので、状況によって変わるのでしょうね。
前日には街全体でパレード
前日の1月5日の夜には街でパレードがあります。
子供たちの目当てはなんと言っても飴!
パレード中に大量の飴が観衆に向かって投げて配られるのです。
私は今回このパレードを、アフリカ大陸のスペインの飛び地であるメリージャ(Melilla)という街で見ました。
この小さな街でも結構な迫力でしたが、首都などの大きな都市となるともっとすごい迫力だそうです。
パレードの出演者にも子供が多いです。
今回、このスペイン伝統のレジェスマゴスを体験することが出来て、また一つスペインの文化を知ることが出来ました。
この記事をお読みの、スペインにご興味のある皆さんのお役にも立っていたら幸いです。