サンティアゴ巡礼路。
そこは、世界中から年間20万人の人々が集まる場所。
宗教、文化、言語を越え、サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指し、日々歩き続ける人が絶えない聖地への道。
スペイン在住の決め手になった人もいるという。
ガイドブックや他のブログには素晴らしい写真が載っているが、巡礼路の本当の姿はどうなのだろうか?
自分で巡礼してみなくては分からないのではないか?
旅好きのアラフォー女子である私、「えっちゃん」ことエツコは、
これまで、”どこの国で誰とどんな事をするか!”がモットー。
“ガイドブックの情報は本当の所どうなのか?”といった、皆が抱く疑問を解決するために
「ガイドさんなし」で国内から海外まで“冒険”し続けています。
今回、私は聖地巡礼を実際に歩き終えたことで、歩き続けることは、まるで人生そのものだと体感した。
泣いたり、笑ったり、怒ったり、悔しい想いをしたり…
日々、変化する感情の中で、人々はいつしか笑顔に包まれていく。
都市での生活とは違った巡礼だからこそのシンプルな生活。
その生活の中でも時には打って変って、全ては用意されていたかのような人々との出会いも数多く存在しています。
今回はサンティアゴ巡礼路の中でも、私が歩いて旅した「フランス人の道」にある一つ一つの街について語っていきます。
目次
巡礼初心者にもおススメの巡礼路「フランス人の道」
一口にスペイン巡礼と言ってもいくつかのルートがあります。
「フランス人の道」は、フランスとスペインの国境からスタートし、
スペインのほぼ中心にあるマドリッドから、北側に位置するルートを歩く旅です。
マドリッドからバスや電車を使って行く事が出来る観光地がいくつかあります。
スペイン北部は、南部(グラナダやバルセロナ)に比べ、日本から訪れる人も少ないですが、芸術、カテドラル(教会)、バスク料理と、南に負けないくらいに実は見所満載なのです。
「フランス人の道」で体験できる北スペイン
私が体験した、スペイン北部の大きな街を紹介していきたいと思います。
①パンプローナ
テレビや雑誌などで見た事があって、ご存知な方もいるのではないでしょうか?
世界中から観光客が集まるスペインを代表するお祭りのひとつです。
また、パンプローナはバスク地方(※)でもあるので、タパスのお店も数多く存在します。
ヘミングウェイの小説の舞台となった事でも有名です。
※…バスク地方とは、一口サイズで食べられるタパスとして有名な「ピンチョス」の発祥の地と言われています。
バスク地方は「世界一の美食の街」と呼ばれるサン・セバスチャンに代表されるように、
多くの美食家が集い、革新的な料理を生み出し、国際的に広く影響を与え続けています。
大通りから、路地に入るとタパスのお店は数多くあり、
シエスタ(※)が終わる夕方5時を過ぎると、多くの人がアルコールやタパスを求めやってきます。
「こんなにもこの街に多くの人がいたんだ!」という印象です。
※…シエスタとは、昼の2時から5時までの昼休憩の時間です。人影もほぼなく、ほとんどのお店は閉まっています。
マドリッドからは、バスや鉄道が出ていますが、バスの方が本数も多く、
5時間程で行く事が出来ます。
②ログローニョ
ログローニョは、パンプローナからバスで行く事が可能です。
スペインを代表する「リオハワイン」で有名な街です。
ワイナリーツアーを出しているところもあるので、ワイン好きにはたまらない場所ではないでしょうか?
乾燥した赤土、どこまでも続くブドウ畑が印象的でした。
2017年はスペインもとても暑いため、「上質なワインが飲める」と、今からワクワクしています。
こちらも、マドリッドからバスと電車が出ていますが、電車だと乗り換えが必要となりますが、バスだと4時間程で行く事が可能です。
③ブルゴス
ブルゴスは、標高が高い位置(860m)にある街で、天候が変わりやすいのが特徴です。
この街は、カテドラル(教会)が街の中心地にあり、スペイン巡礼の映画「星の旅人たち」にも登場します。
ブルゴスの丘の上から街全体見渡す事が出来ます。
スペインと言えば、サッカーも有名ですね。
私が滞在した日は、ちょうどUEFAチャンピオンズリーグ(※)決勝が開催していた日だったため、子供からお年寄りまで、サッカーの試合に国民が釘付けでした。
レアルマドリードが優勝したので、朝までドンチャン騒ぎになるのは、どの国でも同じです。
※…UEFAチャンピオンズリーグとは、サッカークラブのワールドカップとも呼ばれていて、ヨーロッパナンバーワンを決める大きな大会です。
ブルゴスは、マドリッドからバスだけでなく、バルセロナからも電車でアクセスが可能です。
④レオン
この街は、何と言ってもカテドラル大聖堂が有名です。
中に入ると、窓から差し込む光の中に、素晴らしいステンドグラスを見る事が出来ます。
レオンはガウディ好きにはたまらない街でしょう。
なぜなら、バルセロナとは違ったガウディの魅力に触れる事が出来る上に、ガウディ美術館が無料で見学できるからです。
レオンは、巡礼者のみならず宿泊できるパラドール(※)があり、そちらにもガウディの銅像があります。(今現在は修復中です)
昔、修道院として使われていたこの場所が、今は宿泊施設としてレオンの郊外に存在しています。
※…パラドールとは、スペインの古城、宮殿、修道院といった歴史的価値の高い建造物を修復し、宿泊施設として利用している国営ホテルです。見学のみする事も可能です。
マドリッドからアクセスが良いからでしょうか??
レオンへの観光客が今まで以上に増えています。
ガウディ美術館から大聖堂までの間は、お洒落なカフェが数多くあり、一番ヨーロッパらしい雰囲気を感じる場所です。
マドリッドから電車なら2時間程。
バスなら3時間程で移動が可能です。
巡礼路のゴールでは世界中の人々と旅の感動を分かち合える
⑤サンティアゴ・デ・コンポステーラ
既に知っている方もいると思います。
NHKで何度か特集された事もあります。
私が行った時も、日本のテレビ局の方々が撮影に来ていました。
スペイン巡礼の最終地点が、このサンティアゴなのです。
この場所は、教会でのミサが有名で、カトリック教の人々のみならず、世界中からの人々がこの場所に集まります。
巡礼者が、お互いに喜びを讃え合う光景を目の当たりにする事が出来るのが、このサンティアゴ・デ・コンポステーラなのです。
800kmの道のりを共にした仲間たちと最後に出会う場所。
日本からもツアーが出ているため、ツアーの方も多くいます。
また、サンティアゴは、空港から街の中心へ30分程で行く事が出来ます。
ヨーロッパ各地からこのサンティアゴへ行く事が出来るのです。
マドリッドからはバスで10時間かかり、バルセロナからは電車で16時間もの時間を費やすので、飛行機をオススメします。
なぜなら、ヨーロッパのLCCは料金もリーズナブルで、マドリッドから1時間20分、バルセロナからは、2時間弱で行く事が可能だからです。
スペイン巡礼の旅は、ただ歩くだけではありません。
道の途中で、人々の温かさに触れ、芸術を鑑賞し、食を堪能する事が出来る旅でもあるのです。
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