バスクに旅に出たなら、是非一度は宿泊して頂きたいEl Caserio(エル・カセリオ)と呼ばれる特徴的な家があります。
「家に泊まる?ホテルじゃなくて?」と不思議に思う方もいると思いますが、カセリオとはバスクの農家風のホテルで、家の一部に泊まる事ができるホテルもあるのです。
イベリア半島北部に位置する、バスク州、ナバラ州、フランス側バスクで主に建設されています。
元々は、家族経営の農家が農業をしたり、自分の家の敷地内で全ての食物や衣類まで自給自足する為に考えられて建設されているので、大部分が山間の広大な農地の中に建てられています。
今でも羊飼いの家族や葡萄栽培などの農家の皆様が住んでいるカセリオもありますので生活感に溢れています。
ローカルライフを肌で味わえるので、旅情たっぷりのバカンスが楽しめます。
そんなカセリオの中でも、最もお勧めなのが今回紹介するホテルIturregiです。
2013年には英国の雑誌Food & Travelで世界のベストホテル6選に選ばれ、スペイン国内の観光客のみならず、世界各国からこのホテルに滞在したいと言う旅行者が多く、部屋数の少ないIturregiは常に予約が難しいホテルの一軒です。
ホテルまでの道のりも美しい景観に恵まれています。
ゲタリアの港から来るまで数キロの距離にある、このホテルの周りはバスクの白ワイン、チャコリの産地なので、美しいチャコリ用のブドウ畑が広がっています。
玄関から続く、長くて細い道を抜けると、ホテルIturregiの立派なバスクの家が見えます。
夏季営業期間ではホテル裏側にある屋外プールも完備されています。
ホテルは丘の上に位置しているため、客室からはカンタブリア海、夜はゲタリアを照らす灯台が良く見えます。
昼間でも大変静かで、景色を眺めながらゆっくり滞在を楽しみたい人にぴったりのホテルです。
館内のレストランでは夕食の提供はありませんが、朝食サービスとルームサービスを提供しています。
近くに魚介類の美味しいゲタリアの街があるので、名物の炭火焼のお魚料理をふらっと食べに行っても良いですし、お部屋で地域の名産をルームサービスで頂く事もお勧めです。
食後は是非、ロビー横にあるお酒の頂ける素敵なサロンを利用してみて下さい。
お好みでジントニックやウイスキーなどを自分で作る事が出来ます。
朝食をいただける場所は、白を基調とした清楚なデザインになっていて、ブドウが描かれている食器が華やかで食事を彩ります。
窓の外も田園風景が広がっているので、緑に囲まれた明るい雰囲気で頂く事が出来ます。
朝食はオーダー制で豊富なメニューを自由に選べます。
フルーツ、オムレツ、ハム、チーズ、パンにすり潰したトマトをのせてオリーブ油で頂くパンコントマテなど…お好きな物を頼んで、豊かな朝を満喫してください。
ホテルの敷地内には栗の木や唐辛子、日本の紅葉まで植えられいるので、周囲のチャコリ畑と合わせて、実りの季節である秋の滞在が特にお勧めです。
大切な人と記念日などの特別な日に滞在したい、大人の隠れ家ホテルです。
滞在中は終始、ホテルの従業員の方の接客も対応良く、にこやかで本当に気持ち良く滞在する事が出来ました。
機会があれば、是非また滞在したいバスクのホテルです。